動物の行動展示で人気の旭川の旭山動物園を訪れてきました。目的は「ほっきょくぐま館」です。
北極の過酷な寒さに適応するため、ホッキョクグマの体には様々な秘密があります。
寒さが厳しい冬でも冬眠をしないとか、氷海を長距離を泳ぐとか、流氷に乗ったまま長距離移動するとか、いずれも私たちの想像を超えるものです。
旭山動物園のほっきょくぐま館には実際の毛皮と剥製が展示されていると聞き、自分たちの目で確かめに行ってきました。
まず驚いたのは「シロクマと言われているのに皮膚の色は黒」だという事実。これは暖かい太陽光を集める為だそうです。
さらに、「全身を覆っている体毛は白ではなく透明」です。これも皮膚への光の到達率を高める為だそうですが、なんとシロクマが実は透明熊だったという事なんですね。
黒い皮膚にも関わらず白く見えるのは光の散乱によるものだそうです。
「体毛の中心はストローのように空洞」になっているので、この空洞に蓄えられた空気が断熱層となり寒さの厳しい北極での暮らしを可能にしているとか。
ホッキョクグマはまさに「断熱材を纏っている」状態なのです。
ほとんど体温が外に逃げない事から、航空機による赤外線カメラでも捕捉できないそうです。
体に比べて頭が小さい流線形スタイルなのは遠距離水泳時に抵抗を減らす為だそうです。
また、旭山動物園では、通路脇にも動物の実物大パネルを展示するなど随所に展示の工夫が見られます。
こちらは「ちんぱんじー館」の飼育スタッフによる手書きですが、動物たちの名前だけでなく性格や嗜好も書かれているので親近感が増しました。
こうした取り組みは展示物の見せ方のヒントになります。
入場から退場まで40分という駆け足での見学となりましたが、足を運んで良かったと思っています。
皆様も旭川にお越しの際はぜひ旭山動物園にお立ち寄り下さい。